雨に唄えば(#516)
NHK-BSで『雨に唄えば』を鑑賞。
サイレント全盛のハリウッドにトーキー映画が登場し大騒ぎ。それまで不動のスターだったドンとリーナの次回作「踊る騎士」も急遽トーキーで作ることになるが、リーナのあまりの悪声と技術的な遅れから最新作では観客から失笑が起こる。ドンの友人で音楽を担当しているコスモは「踊る騎士」をミュージカル映画にして、リーナの吹き替えに女優志望のキャシーを起用することを提案し、リーナには内緒でことを進める。
あまりに有名なこの作品。ジーン・ケリー、デビー・レイノルズ、ドナルド・オコナーの3人が楽しく歌い踊るのを観ていると自然と楽しくなる。
一番有名なシーンといえば、ジーン・ケリーが雨の中を踊りながら“Singin' in the Rain”を歌うシーン。タップダンスも文句なしだし、傘や通行人の使い方何をとっても完璧。すべてがうまくいきそうな予感で満ち溢れている。
見所はそれだけではなくて、他にも忘れられないシーンがいくつもある。プレミアで大失敗した後3人でどうすればいいかを話し合いながら夜が更けて“Good morning”を歌うシーンや、ドナルド・オコナーがコメディの魅力を楽しい振付けて踊るのも忘れられない。
主役のジーン・ケリーも相当うまいんだけど、ドナルド・オコナーのダンスは目を奪われる。
トーキーの初期を描いた一種の内輪ネタ。実際トーキーへ移る時に適応できずに消えていった俳優・監督もいるので、なんだか生々しさも感じる。発音教室や録音に苦労するシーンなんかも当時はこんなこともあったのかも。
人を楽しませるということはどういうことなのかよく分かる名作中の名作。観ている間は別世界を感じられる理想の映画。
ジーン・ケリーはこの作品で『踊る大紐育』以来の監督も務めている(共同監督)。
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