シネマ坊主

松本人志シネマ坊主2』を読了。
前回不快な思いをしたのに、また借りてしまった。
ページをめくる度に無知だったり、先入観だけで捉えてたりと不快になる。あとがきに「僕はびっくりするくらい公平な人間なので。」なんてかいてあるのが信じられない。映画好きな人は読まないほうがいい。
掲載されている作品の評価と実際に観た映画評価を比べてみると、書いてある内容は別としてだいたい同じくらいの星をつける作品が15%くらい。
特に『ボウリング・フォー・コロンバイン』での批判は何も分かっていない。銃の蔓延しているという現状に対して不満を感じた(もしくは感じる人側に立つ)ムーアが一石を投じたこの作品で、フェアじゃないといったってしょうがない。ドキュメンタリは主観を抜いたフェアなんて求めてないし、観客に今まで知らなかった事実と自分の主張を突きつけるということが本質。その後観客がどうするかは観客が決めること。文中でムーアがしていることは写真週刊誌の記者と同じといっているが、松本が誰と付き合おうが結婚しようが世の中のほとんどの人は興味も無いこと、ムーアが描いているのはアメリカ国内の銃社会の弊害も、政治的背景も知らず暮らしているアメリカ人に「これを観ても何も感じないのか」と問いかける意義深いもの。
その後911もありアメリカは未だ銃社会だけれど、その後も起きた銃乱射事件、911、アフガン・イラクを経験したアメリカ人が銃社会を選択したということ。『ボウリング・フォー・コロンバイン』『華氏911』が正しいとか間違っているとか言うよりも、その事実(議論)を知らずに選択する人を減らしたというだけでも十分評価できる。エンターテインメントとしても面白いし。体制批判こそが誤楽だからね。
前作の時も書いた記憶があるけれど、この本は松本人志を全肯定するような松本ファンなら。
お金は払ってないけど、図書館から借りて来て返しに行くという労力すら腹が立った1冊。

シネマ坊主2

シネマ坊主2