愛と青春の旅立ち(#418)

NHK-BSで『愛と青春の旅立ち』を鑑賞。
あまりにも有名な青春映画の名作。
若き日のリチャード・ギアデブラ・ウィンガーがまぶしい。
過去との決別を誓いザックは海軍将校のパイロットになるために士官学校に入学する。そこで待ち受けていたのは過酷な訓練の毎日。その中で親しくなったシドとザックは町工場で働くポーラとリネットと知り合い親密になっていく。しかしザックは教官の「地元の女たちは士官候補生の妻になろうと狙っているから気をつけろ」という言葉やポーラの父親が元士官候補生だったことを知り、ポーラも士官候補生を狙っている一人なのではと疑念を抱いてポーラと距離を置き始めた。そんな中シドは交際中のリネットから妊娠したことを電話で告げられる。突然の不安を抱えたままの訓練でシドはミスをしそれをきっかけに任意除隊を申請、シドは自分に正直に生きようと決意し指輪を買ってリネットの元を訪ね結婚を申し込んだ。リネットの返事はNO、妊娠は嘘、そしてリネットはパイロットの妻になって海外に住みたかったとシドに告げた。そのままシドはリネットとの思い出のモーテルへ行き自殺した。悲しみの中ザックたちは卒業を迎えそれぞれの旅立ち。ザックは町工場へ行きポーラを抱きかかえた。
基本的に戦争・軍事+感動ものは見ない主義(製作する国のプロパガンダや兵士たちを英雄扱いすることには反対)なので、海軍のパイロットを目指す士官学校の話と知って敬遠してた。この作品でも設定上そういった側面を回避することは不可能ながらも、全体を通してベースに流れているのは若さゆえの苦悩といったドラマ。劇中でも銃を撃ったり、戦闘機に乗ったりという軍隊を意識させるシーンはほとんどない。
ザックはもちろんのこと、シドの成長の描写が素晴らしい。パイロット一家に育ち自分もパイロットにならなくてはいけないという使命感、そして死んだ兄の婚約者との婚約とがんじがらめの人生を受け入れていたシド。自由に生きるザックやリネットへの愛に触れる中で自分自身の本当の気持ちに気づきはじめる。しかしその先に待っていた答えはあまりにも残酷。しかしその出来事もザックを成長に導いている。
青春というものをこれほどまでに美しく描いた映画は他にないといえるほど。痛くてまぶしくて恥ずかしくなるくらい一生懸命。
ザックとポーラのベッドシーンは過去最高に美しいので必見。上品でありながらも官能的、そして愛情があふれている。
ラストのリネットがポーラの幸せに拍手で祝福するシーンはやりすぎ。完全な悪女にはしたくなかったのかも。
監督はテイラー・ハックフォード

愛と青春の旅だち [DVD]

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