ロンパース

安野モヨコ対談集 ロンパースルーム』を読了。後になるほどつらくなる。安野モヨコフリークには楽しめるのかもしれないけれど、『さくらん』『働きマン』『監督不行届』しか読んでない(楽しめない)自分としては・・・。対談相手によって人格や内容が変わりすぎるのもだんだんつらくなってきたし、内容自体もところどころつらい。
やっぱり一番同意できない部分は寺田克也との中で“レンブラント展に人が集まりすぎてて見なくていい人が来てる。もったいない。”部分。文の中では“誤解を恐れずに言えば”とあるけどそれを言えばなんでも許されるってもんじゃない。もちろん言わんとすることは分かるけど、その言葉の背景を考えるとどうしても許せないんだよね。たしかに美術館に足を運んでくる人のどれだけが印刷物でいいのかは分からないけど、美術館のある意義だったりどういう成り立ちかを考えた場合、その発言はダメだと思う。絵に全く興味がなかった人がレンブラントって聞いたことがあるし行ってみようかなってわざわざ美術館に行くことってすごいことだと思うし。美術&美術館好きだから過剰に反応してるかもしれないけど、少なくともこの文脈からは好意的に読み取ることができなかった。
面白かった対談は市川実和子庵野秀明奈良美智の3人。
それと、各対談の最後に対談相手の絵を書いてあってどれも魅力的。対談の内容ともつながってて楽しめる。
ただ、読んでて相手の言うことに反論するところがなくて、相手に調子合わせてしゃべってるんじゃないと思うくらい。対談のホステスだからというのもあるんだろうけどね。

安野モヨコ対談集 ロンパースルーム

安野モヨコ対談集 ロンパースルーム