伊東豊雄(#627)

東京オペラシティアートギャラリーで開催中の『伊東豊雄 建築|新しいリアル』展へ。
建築好きとしては絶対行きたかった展示のひとつ。
改めて伊東建築の魅力を堪能できたいい展示。最初の部屋で現在台中市に建設中の劇場の模型。これで伊東を知らずに入った人もガツンとやられてしまう。完成したら絶対行って見たい建築にリストアップ。そして最近完成した岐阜県の火葬施設。これは地元だったので知ってたんだけど、住民からは評判があまりよろしくない。ただ、ここに来ているような建築好きにはうらやましく映るんだろうか。
そしてホールへ。ここでは靴を脱いで伊東らしい曲線で作られた床に、最近作られた建物から建築中のものまでの模型と映像が組み合わせて展示されている。こう見るとつくづく彼は恵まれているなぁと思ってしまう。
そして最後は彼が独立してからの会社の歩みと、建築の歴史。ここもじっくり見てしまう充実した展示。大満足。
彼の建築は自由で斬新さがあるし彼自身の才能はすばらしいと思うんだけど、これだけのチャンスを与えられるということは本当に恵まれていると思う。
建築の進化には非常にコストもかかるもの。いわゆる旦那仕事の典型だと思う。ちょっと前までのスター建築家の代表作と言えばやっぱり巨額をかけた公共工事だったけど、彼の作品の“旦那”をみると企業にシフトしているように感じる。そういう意味で岐阜県の火葬場だったり、仙台のメディアテークが議論に上がるのはある意味では無理も無いことで、巨大プロジェクト以外のこのレベルの建築で自治体が旦那になる必要性は薄れてきているのかもしれないなと感じた。建築のすばらしさは別にして。
伊東豊雄 建築|新しいリアル 展
http://www.operacity.jp/ag/exh77/