映画プロデューサーの基礎知識

映画プロデューサーの基礎知識―映画ビジネスの入り口から出口まで』を読了。
他の映画業界ものの本と比べても、実際に著者が体験していることなのでとてもリアル。実際著者が関わった映画の例を出して細かく数字を出しているのも珍しいし、製作過程までも読んでいるほうがこんなこと書いていいのかと心配するほど。
まさに映画ビジネスの入り口から出口までを丁寧に書いていて、現在の映画業界の実情を見て取れる。外国映画の買い付け、映画制作の資金調達手段、融資の種類とその違い、映画のチケット以外からの収入、予算タイプと戦略・・・・ととても実践的。
最後のほうにある黒井和男氏との対談では、読んでいて自分と共感する内容だった。とくに役者に関する部分は以前ここにも書いたかもしれないけど黒井氏と同じ考え。日本映画を観てて業界にはこういう考えの人は(偉い人には)いないんだと思っていたので意外だった。うれしく感じたのと同時にそれでも変わらない現実にがっかりしたり。
映画プロデューサーってどんな仕事しているのか外から見えにくいけれど、これを読めばどんな仕事をしているのかはもちろん、今まで知らなかった映画の仕事というものが見えてくる。