12人(#379)

wowowで『12人の優しい日本人』の生中継を鑑賞。
この作品は前から名前だけは聞いてたけれど、近い将来日本に裁判員制度が導入されるということもあって再演が決まった作品。作・演出は三谷幸喜。完全な1シーン、1セットの三谷幸喜お得意のシチュエーション。
ある殺人事件のために集められた12人の陪審員たちが、それぞれの思惑で関わり判決までを導く法廷(のバックヤード)劇。
キャストはステージ初挑戦の江口洋介もいれば劇団出身の生瀬勝久らバラエティー豊かな12人。三谷幸喜独特な小気味良い笑いの中にそれぞれの役者のうまさが光っていた。三谷幸喜作品にはコメディのイメージが強かったんだけど、この作品では単に面白いだけじゃなく劇中の陪審員たちの不誠実な態度や意識の低さを見ることで、見ている観客側が自分は準備はできているのだろうかという思いが湧き出てくる作品。
裁判員になるということは、弁護士になることでも検察になることでもないし、他の裁判員を論破し自分の価値観・意見を押し付けることでもない。意見が急に変わったって恥ずかしくなんかない、自分のメンツじゃなくて被告、原告にとっては人生がかかってるんだということが改めて実感する。行政も裁判員制度を理解するための映画(ドラマ?)を作ったみたいだけど、こんなにいい作品があるんだからこれを積極的に配布したらいいのに。
wowow 12人の優しい日本人 official site
http://www.wowow.co.jp/stage/nihonjin/

12人の優しい日本人 [DVD]

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