ハリケーン・カトリーナの話(#286)

アメリカにハリケーンカトリーナが襲撃して4日目。この惨状をBBCはじめ世界各国で報道している。このニュースで驚いたのはどうしてアメリカでこんなことになるのだろうかということ。4日もたったのに救援物資もなく、ほとんどの人が食料もなく中にはそれによって死んでしまっている人まで出てきた。BBCでは「ここはアメリカではなくアフリカのようだ。」「まるでアチェだ。」との声まで聞かれる状況。
甚大な建物・人間の被害に加えて、石油関連施設が集まるところということもあり石油の供給にも多大な打撃になった。このところの石油高騰に拍車がかかる形になっている。それに加えて、大統領の反応の遅さにも不満の声が上がっている。イラク戦争でのアメリカ人の死者が増え過去最低の支持率になったと発表されたばかりでこの失態だった。
この被害に各国が支援を発表している。国連。日本政府。ヨーロッパ。企業。発表された数字では、日本政府は20万ドルの資金とアメリカにある日本の備蓄倉庫から簡易水槽、テント、毛布、発電機などを30万ドル相当をアメリ赤十字に援助すると発表。企業ではトヨタ・日産・ホンダがそれぞれ支援を発表している。まさかアメリカに対して支援をしなければならないなんて誰が思ったことだろうか。
TVニュースを見ているとハリケーンの直撃を受けた人たちが集まるアメフトのドームや、洪水で取り残された人々、行くあてもなく路上でカメラに向かって助けを請う人の映像が次々と流される。ここで気づいたことは被害を受け困っている人たちのほとんどが黒人だということ。南部ということもあり、黒人が多い地区ではあるんだろうけれどもこれほどなんだろうか。これが本当に住民の比率なのか、人種間の貧富の差が露呈した結果なのか。なにかアメリカの本当を見せつけられた気がした。
目線を日本に戻して考えると、新潟の地震の復興は極めて遅い。地震直後はメディアが我先にと入って取材をし続けてたが現在も仮設住宅で暮らしている人たちは多く、度重なる雨や雪によって地震後の被害も続いている。最近では新潟への興味を全く失っていたメディアも、今回の選挙で新潟が田中真紀子と旧山古志村村長の対決ということに関しては注目しているらしい。しかし、本来注目すべきは新潟の現状だ。この件では、報道の責任は果たしていないといえる。
考えてみると、これは新潟だけの問題ではない。今後、東海・東南海・首都直下と大規模震災が確実視されている。新潟でこれだけ遅れているということは、それ以上の被害が予想されているこれらの地震の起きた場合の政府の対応というのを見て取れるのではないか。今の政府の対応に自分の生活がかかっていると考えると背筋がゾッとする思いになる。