うーん、魔術師最高。(#240)

ジェフリー・ディーバー『魔術師』を読了。

魔術師 (イリュージョニスト)

魔術師 (イリュージョニスト)

こんなに面白いのはもう何年も経験してなかった。今作は、『ボーンコレクター』などで知られるライム&サックスシリーズの第5作目。今までのシリーズ作品を読んだことがなかった自分にも楽しめるか一抹の不安を持ちながら読み出したのに反して、ぐいぐい引き込まれる。
その魅力の一つは登場人物。手足の動かない天才犯罪学者リンカーン・ライム、腕は一流警官で、ライムのパートナーアメリア・サックス、この取り合わせだけでも充分に楽しめそうなのに、今作の犯罪者は超一流のイリュージョニストと来ている。もちろん、ライムを囲むそれぞれの専門家たちも魅力的。
そして事件の起こる前には犯人が『わが敬愛なる紳士淑女のみなさま・・・・』から始まる演説。伝説的なイリュージョニストのフーディニなどが得意とした演目になぞらえて次々と起こる事件。
各所にちりばめられたイリュージョン、次の一手の読み合い。犯人の目的は?これで、決着と思いきや・・・。そして、絡み合う事件。もう、こんなに楽しめるエンターテインメント作品に次に出会えるのか心配なほど。