about 三菱自動車(#084)

三菱自動車。この企業について言いたい事は実はいろいろとある。
僕の愛車もMITSUBISHI MOTORSだし。車種は秘密(笑。古いやつです)。
リコールの対象になって、わざわざ三菱販売店まで行かなきゃ行けなかったし、正直僕の車の下取り価格もガクッと下がっているようだし。今回というかこの一連のリコール隠し問題は議論の余地が無いほど三菱が悪い。
が、である。ここ最近の三菱車に対する報道では“問題なのでは?”と思う場面に出会うこともよくある。
数日前に起きた自動車事故。東海地方の高速道路で、トラックと観光に出かけた家族の乗った自動車の正面衝突。この痛ましい事故で家族には死者が出たり、数日後にも同じような事故が。
この事故を報道した各社がトラックが三菱ふそう製のトラックであったと、ことさら強調した。言いたい事は分かるが、結局この事故と原因はトラックの過積載。この事故に限っていえば100%ドライバー側の過失。さらにこの報道の中では“尚このトラックはリコールの対象ではない車種ということです。”と付け加えたのである。ここで、この一言の意味を考える。もちろん各社とも原因判明後はふそう社製だったことに触れていない。訂正も補足も無い。
リコール対象車の事故の場合も同様に“尚この自動車(トラック)はリコールの対象車種でした。”とつなげたものを見たことがある。どういうことだろうか?もし事故の原因となった自動車がリコール対象車両でありそれが原因の事故だった場合の事故であれば、リコールに応じてなかったドライバーの責任である。
また、事故の一方を知らせる報道。これの中では、リコールの対象になるような原因の事故の究明はできるはずもなく、できるとすれば人が飛び出てきただとか、信号無視だとかそういった素人の目にも判断のつくものぐらいだろう。ドライバーの怪我や死亡によって、証言が得られないために事故の原因がすぐに分からない一時的に原因が不明なトラック事故など一日に数え切れないほど起きている。その中で、三菱・ふそう製の自動車の絡むもののみを取り上げ報道する。
そもそもトラックのシェアはどれくらいなのだろうか?正確なデータは残念ながら不明だが、車を運転する人は環状線やバイパスなどトラックの交通量の多い道路を走っていると、やたらに三菱・ふそうを見かけるのではないだろうか?もちろん最近三菱のトラックを意識している人もいるだろうが、三菱ふそう車の多さに改めて気づく。この現状を考えると、報道によって過剰に他社製のトラックよりもトラブルが多い印象を与えていると感じる。
これはもはや、報道とは名ばかりであり、大衆迎合・視聴率主義以外のなんでもない。ドキュメンタリィタッチのバラエティ番組感覚なのである。テレビ局が描く筋書きは、単純明快で大衆の感情を必要以上に煽る。三菱関連の過去のリコール隠し、新たなリコール隠しの発覚、三菱・ふそう車の事故、売り上げの減少、株価の下落。まるで、「幸せそうに見えた芸能人夫婦の突然離婚」、「人気俳優逮捕」等、持ち上げたタレントの落ちぶれる姿を扱うワイドショーを見ているようだ。このような一連の“報道”に違和感・嫌悪感を覚えるのは僕だけではないと思う。
さらに、最近の情報では昨年と比べてリコール総数が今年は急激に増えている。これは、三菱関連を除いたリコール件数がすでに昨年より多いらしい。この情報を素直に額面どおりに受け止めれば、三菱の報道を見てあわてた各自動車会社が今まで申し出なかったリコールをあわてて申請していると見るのが普通だと思うのだが。どうだろうか?各局この状況については報道していない。視聴率を稼ぐ人気報道番組のスポンサーと何かしら関連があるのだろうか。疑いたくもなる。
僕は、この一連の事故やリコール隠し事件をフェアに報道することによって三菱が救われることを望んだり、首脳部のせいでまじめな社員たちは・・・なんて気はさらさらなく、フェアな報道が実現した上での正しい三菱批判を望むだけだ。スポンサーによって内容を左右し視聴者を扇動するなんて、プロ野球のオーナーよりたちが悪い(彼らは矢面に立っているだけまし)。




いや、そもそもテレビや新聞なんてメディアと真実や公平はパラドックスの関係なのかもしれない。