#048

維新派の舞台『ノクターン』をDVDで観た。うーん。確かにかっこいいし、斬新なんだけどちょっと間延びしてるように感じた。あんまし舞台見たことない僕の感想ということで。この舞台は今までのミュージカルとか劇とかとは違って、ほとんど台詞がなくって全体の動きのシンクロとリズム・・・・なんていえばいいのかストーリィとかいうのではなくイメージ・感覚が伝わってくる舞台。役者は白塗りしてたり身体表現的。それに、歌が入った感じ。その歌はソロの見せ場的なものは皆無で、サラウンドを人でやった立体的な効果が生で見てたらすごかっただろうなと思わせる。舞台の切り替えや、舞台の装置は本当にすごさを感じる。DVDで観たからということもあるだろうが暗転、その後舞台が照らし出されたときの驚き。見せ方が卓越している。
そこで思ったのだけれども、ああいった舞台監督・演出家が作る台詞・歌など役者が個人として見られにくい(評価されにくい)舞台に出ている役者の人は、何になりたくてやっているのだろう?役者として成功したいと思う人は、がんばって台詞のある役がほしい、スポットの当たる看板役者になりたいと望んでやっていると思っていたんだけれど。ああいった舞台では、演出家に対する全幅とは行かないまでも相当な信頼関係が必要なんじゃないかと素人的には思いました。
それにあの踊りと台詞を覚えるのは大変だろう、きっと。台詞は意味のない何語かわからないのが大部分で、複数で声を合わせるから間違えられないし。ほかの台詞は中国語だったり、音の響きだけでつながる単語群だったり。踊り部分は、不規則でなおかつシンクロさせる。まるで、意思を持った各個体の動きが無意識にシンクロしているよう。・・・ランダム加減がちょうど心地よい。
あぁ、むずかし。この舞台を言葉にするのが。
ただ、最初に思ったこと。デジタルなアートを観てるよう。いい意味で。でもきっとこのDVDはもう一度レンタルはしないし、公演をお金払って見にはいかないだろうな。