キング・オブ・コメディ

DVDで『キング・オブ・コメディ』を鑑賞。
ニューヨークで売れないコメディアンをしているルパート・ハプキン。彼の敬愛してやまない大人気コメディアンジェリー・ラングフォードとどうにか接触を持とうと彼をもみくちゃにするファンから守って一緒に彼の車に乗ることに成功。車の中で、自分を使って欲しいと売り込むとジェリーはハプキンに明日連絡しろといって別れる。ジェリーにとっては迷惑なファンをあしらったつもりだったが、ハプキンは鵜呑みにして何度もジェリーに電話をかけついには彼のオフィスや別荘に押しかける。それでも相手にされないハプキンは、ジェリーを誘拐して彼の出演する番組に力ずくで出演しようとする。
監督はマーティン・スコセッシ、主演ロバート・デ・ニーロと『タクシー・ドライバー』『レイジング・ブル』のコンビ。
TVやメディアの裏側を舞台にした愛情・皮肉がこもったコメディ映画。
今ではストーカーと一言で切り捨てられそうなハプキンも内面が緻密に描かれている。偏狂的なんだけれどどこかコメディで、憎めないキャラクタ。そしてさらに強烈なストーカーキャラクタのマーシャ。彼女を演じたサンドラ・バーンハードもすばらしい。彼女は『ディナー・ラッシュ』でも好演している。
スコセッシの代表作とまでは言えないが決して凡作ではない作品。
ラストもコメディを意識している。ラストをどうするかで作品全体の印象やテーマがガラリと変わってしまうバランスで進んでいたので、救われるエンディング。
脚本を担当したのはニューズウィークで映画批評をしていたポール・D・ジマーマン。個人的には映画批評をする人間が製作・宣伝にかかわるべきじゃないと思うけれど、脚本のできはなかなか。他の小規模映画でもう一度書いてみて欲しい。

キング・オブ・コメディ [DVD]

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