羊の啼き声(#480)

NHK-BSで『羊の啼き声』を鑑賞。
サンダンスNHK国際映像作家賞の2002年ヨーロッパ受賞作。
舞台は第2次大戦中のアルバニアアルバニアを占領したドイツ軍から逃げるため、国籍・宗教の違う男たちが狭い地下室で一緒に過ごしたという実話を基にした作品。ナチスドイツの残虐性を描く一方で、つらい中でもどこか明るくてユーモラスな彼らの日常はこの映画をただの暗い戦争映画にはしていない。
占領下であっても生きるために、お店を開く。ドイツ軍から逃げるために引き払った軍の施設や家からも混乱に乗じて窃盗し、またそれをお店に並べる。そんな商人の店に、ドイツ軍の将校が調達に訪れたことをきっかけに、そのドイツ軍将校は男の自宅へ時々やってきて食事をするようになる。しかしこの家の地下には、男たちがドイツ軍に見つからないように隠れていた。
アルバニアという日本人には親しみのない国の話で、その歴史をよく知らないために分かりにくい部分もある。しかし戦争に巻き込まれた人々の日常を丁寧に描いていて、ドラマとして見ごたえがある作品。