シモーヌ(#432)

wowowで『シモーヌ』を鑑賞。
かつてはアカデミー賞短編部門のノミネートをされたタランスキー監督。しかし作る映画作る映画が失敗続きで監督としての瀬戸際。最新作も主演女優のわがままで逃げられてしまい、製作が頓挫してしまった。そこに現れたのは数少ないタランスキーのファンと名乗る男。タランスキーは不気味がって来週会う約束だけを交わしその場を離れた。その数日後、その男の代理人がやってきて男の死と遺言でタランスキー宛の小包を渡した。その中身はとてもリアルなCG俳優を製作するプログラムが書きこまれたハードディスクだった。人間の俳優たちの理不尽でわがままな要求に辟易していたタランスキーは、そのプログラムで作った女優シモーヌを頓挫した映画の主演女優として採用し完成させた。すると信じられないくらいの賞賛。シモーヌの演技と容姿は絶賛され世間の注目を独占した。タランスキーは次の作品でもシモーヌを主演させてヒットさせる。そしてシモーヌへの注目はどんどん強まり、タランスキー自身でさえもコントロールすることが出来なくなる。
ガタカ』で監督・脚本、『トゥルーマン・ショー』で脚本のアンドリュー・ニコル監督・脚本作品。アル・パチーノウィノナ・ライダーキャサリン・キーナーと俳優人の実力派ぞろい。ニコル監督の独創的なアイデア(一歩間違うと相当危ない)も、このキャスティングと計算された脚本によって素晴らしい作品になっている。監督をしているアンドリュー・ニコルが、映画監督を主人公にしてハリウッドの映画会社やスターを皮肉る内容を書いたのも面白い。
ラストは微妙。結局元奥さんって嫌なやつなんじゃないの?それなのに彼女の元に戻っていくなんて。
絶世の美女シモーヌを演じているのはスーパーモデルのレイチェル・ロバーツ(念のため『オリエント急行殺人事件』じゃない)、私生活ではニコル監督の奥さん。監督って本当にいい仕事。ちょっとぐらいのわがまま許せよって(笑)
全米公開時にはレイチェル・ロバーツはクレジットされなかったというから戦略的にも面白い。レイチェル・ロバーツの本名がレイチェル・シモーヌだという情報もあるけど本当かな?