ハウルをみた(#329)

ハウルの動く城』を鑑賞。
宮崎作品では久々に映画館に行かなかったので本当に楽しみにしてた。第一印象は、“子供捨てたの?”それと“よく分からないところも多かったな”の2点。
もちろん面白かったことを前提になんだけど、原作を読んでないこともあってか説明が無さ過ぎて今一歩踏み込めなかった部分もあった。
ハウルマルクルの関係とキャラクターとしての要求、流れ星のシーンはあの一つ一つがカルシファーのような悪魔が降ってきた背景が全く不明。
人物として(行動原理の元となる)要求がはっきりしてるのは魔女とカカシくらい。
雰囲気からは今までの『もののけ姫』、『千と千尋の神隠し』、『天空の城ラピュタ』、『紅の豚』などなどがそこかしこに見えて、宮崎駿が自己模倣をしているような印象。キャラクターの造形や、声優陣のキャスティングからも同じ印象を受ける。
それにしても動く城の造形はすばらしいとしか言い様がない。有機的な中にもしっかり機械としての魅力もあって、脆さをも含んでいる。
よかったシーンはハウルが髪の色が気に入らなくてひどく落ち込むところ。ソフィーが若くなったり急におばあちゃんに戻る表現は秀逸。
このDVDには英語吹き替えと仏語吹き替えが付いてて、英語吹き替えでも見てたらまるでディズニー作品を見てるかのようだった。そう思って改めて見るとカルシファーが飛来するシーンや魔法のシーンで今までには見られない線香花火のような表現が使われているのが気になって違和感さえ覚える。それと並んで気になったシーンはソフィーがカルシファーに水をかけてハウルが死んだんじゃないかと号泣するシーンの涙。涙といえば『千と千尋―』でも強烈な違和感を残したが今作ではその上を行くオーバーな表現を用いたのは単純に疑問。ただ、今回はカルシファーの指輪がソフィーを導くファクターとして涙を使っているからさらにデフォルメをしたとも取れるが。海外の人たちにはこの涙はどう受け入れられたのだろうか。ヨーロッパのアニメーションからすると日本人よりも受け入れにくい印象なんだけど。
キャストの疑問としてはなんと言ってもヒン。あれを原田大二郎がやる理由も選ばれた理由もどう考えても分からないね。

ハウルの動く城 1/24second付き [DVD]

ハウルの動く城 1/24second付き [DVD]