さよなら、さよなら ハリウッド(#245)

名古屋まで行って『さよなら、さよなら ハリウッド』(原題:HOLLYWOOD ENDING)を観た。さすがのウディ好きの自分でも毎回映画観るだけに交通費がかかりすぎるなと実感。
上映していたのは、本当に小さな映画館でキャパは100人程度。音響も今のシネコンと比べるのも忍びない程度。それに、実際に10人いないくらいのお客。
ただ、こういう映画館がなぜかすごく好き。よくいく独立系の映画館も150人程度のキャパなんだけど、このくらいのサイズがいちばん楽しめる感じ。他のお客さんもマナーが悪い人が来ないし、ウディ・アレン作品ファンという共通項で実際に言葉を交わさなくても、どこかしらで通じている不思議な連帯感。老若男女関係なく。
題材は昔オスカーを2度も獲った映画監督ヴァルが今や落ちぶれ、満足できない生活を続けている。そこへなんと超大作といわれるハリウッド映画の監督以来が舞い込む。しかし、その映画のプロデューサーは元妻。しかも製作スタジオの重役は元妻を寝取った男。ヴァルは自分のカムバックのためこの仕事を受ける。しかし、スタッフ・キャストをそろえ、やっと撮影に取り掛かるクランクインの前日、突然目が見えなくなってしまう。もはや絶体絶命のヴァルは・・・・。
作品自体は“アレン最高傑作の1本!! ―ワシントン・ポスト”ってことだけあって楽しめた。本当にドタバタコメディそのもの。しかし、その中にはウディ・アレンらしさも入っていて、見ていて感じたのは、初期のコメディ+その後のキレイでシリアスなストーリーがうまく混ざり合って、100%ウディ・アレンといっていいということ。ウディがニューヨークを舞台にどう撮りたいのかを語る言葉にウディ作品を感じさせる部分があってファンはニヤリ。
ウディ・アレン作品を見終わると思うことはCGはそんなに必要なんだろうかと。自分もちょっと前までCGの勉強をしてたんだけど、公開される映画作品がCGを多用した作品ばかりなことに気づく。もちろんCGじゃないと作れない映像もあるけど、CGパートがなくて楽しめる作品はどれくらいあるのか。
でも、実際にウディが超大作といわれるような作品を撮るのを見てみたいような見たくないような。やっぱ、見たいかな。あくまでウディスタイルなら。
それにしても、この映画が生まれて初めて1800円払って観た映画になりました。
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