kill bill

キルビル』のほうは、バカ映画。タランティーノなんだけど、『ラストサムライ』とは違って監督のやりたいことは分かったって言うかそれしかない。監督がこんなのやりたいんだなぁ的要素のカタマリ。ただあれが好きじゃない人っていっぱいいそうで、僕自身も好きじゃない。ただこっちはエンターテインメントを前面に押し出して楽しんでねというメッセージが聞こえてきそう。ユマサーマンや、ルーシーリューのでたらめな日本語には終始笑わせてもらった。あと意味の分からない音楽。始めは面白かった(ゲラゲラの方ね)んだけど途中でもう不快。主人公のユマサーマンって基本的にかわいくないよね?何でヒロインなんだ?って思ってみてた。
最初から最後までバイオレンスが満ちていて、それだけでいやになる人もいるだろう。途中にいきなり挿入されているアニメ部分(もちろんここもバイオレンス)はよく出来ている。ただ、実写の中に入っている違和感はぬぐえない。なぜそこをアニメにする必要があったのか。アニメ部分単独でみると、イシイ(ルーシー)の幼少期両親が殺されるシーン、その復習で親分を刺すシーンが秀逸。まあ、アニメのスタッフも面白そうなメンバだったから予想通りといった感じ。
ところでこれに出てるんだソニー千葉千葉真一。あの人って北野武の『座頭市』の時に「間違った時代劇をやるな」と発言していたんだけど、これはどうなの?おんなじエンターテインメントで自分があんだけひどい演技(すし屋のシーンとか)やっちゃってて、むしろどちらが優れたエンターテインメントかは一目瞭然だと思う。それとも間違った時代劇はだめだけど間違った日本人はいい。っていう理屈だろうか?そもそも間違った時代劇ってなんでしょう。タップがだめで、まったくリアリズムのない殺陣がいい理屈って何なんでしょう?あの発言以来あいつがキライでキライでしょうがないので書いときました。
いろいろ書いたんだけど最初に書いた通り見られるレベル。積極的に観たくないし。2度と観ない。どちらも日本を舞台にしたり日本の役者を使ったりと同じような性質の作品。やりつくしたハリウッドが日本という未開かつ大きなマーケットを持つ国に興味を持って触手を伸ばしてきた一時的な現象なんだろう。